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Essay |
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旅のきっかけ
昔アイルランドにいた頃、友達のお姉さんの結婚式が1年延期になったことがあった。確かローマで盛大な式が予定されていたのになんで、なんで!?ビックリして事情を聞いてみると、その友達のお姉さんはフィアンセと1年かけて世界一周旅行をして、無事に帰ってから式を挙げるんだとか。それを聞いたときは「いいね〜。で、どっち周り?」なんてビール片手に話してたけど、「私もいつか結婚したい人が現れたらそうしよう!」とそのとき心に決めた気がする。実際アイルランドでは、海外に永住する人や世界一周旅行に出る人の話をよく耳にしたし、それほど珍しいことではなかった。 でもそれから数年経って私は日本に帰国し、終身雇用や年功序列という考えが色濃く残る社会で、私自身、自分なりのハードルを設定し、それに向けて必死の毎日だった。今までこうと決めたらそれしか見えない性格の私、余裕もクソもあったものじゃない。なにしろそのハードルに向かってまっしぐら。その視野の狭さと言ったらイノシシ並み。ほんとしんどい性格だとことごとくイヤになる。世界一周することを忘れたわけではなかったが、それがだんだんと夢のような存在になっていった。実際、日本での生活は楽しかったし、仕事は緊張の連続で何度も口から心臓が出そうになったが、一応私の臓器として体内に居続けてくれた。たくさんの素晴らしい人たちにも出会った。それに何より大好きな家族や友人と過ごせる毎日は幸せそのものだった。 イノシシの様に走り続けて3年ほど経った頃、夫、トシオに出会い、彼と一緒に行った初めての海外旅行でのことだった。帰りの飛行機でどちらが切り出したのか「次はどこに行きたい?」と言う話しになった。私は迷わず「世界一周!」と答えたが、トシオにこのことを話すのはこれが始めて。「どうぜ保守的な答えが返って来るんやろ〜な〜」と頭の隅っこで覚悟していたのだが、トシオは「それええな〜。いくらくらいするんやろうな〜?」と私に話しを合わせてくれた。「あれ?仕事はどうする?家族はどうする?」ってみんなみたいに聞かないの〜?と肩透かしをくらった気分だったけど、まぁそれが彼のいいところ!考えがないと言うか、おおらかと言うか、自由と言うか... で、私がビックリしたのはここから!帰国から2週間ほどしてトシオから電話があった時のこと。「オイ、行けるでこれ〜!」と興奮した様子で、はじめ彼が何を言ってるのか私にはさっぱり???ゆっくりと話しを聞いてみると、どうも旅行から帰って、世界一周旅行について色々と調べたらしい。世界一周をしている日本人が結構たくさんいることや、世界一周航空券があることなどが分かったというのだ。そう、彼は単に話を合わせてくれていたのではなかったのだ。これは後で分かったことだけど、彼自身、旅学という雑誌が大好きで、いつか世界一周とまでは行かなくてもそれに近い大きな旅行をしたいと思っていたそうだ。それから話しは早かった。世界一周旅行の資金作りのため2台あったワゴン車を1台売却し、二人で同居を始め、完全自炊と弁当持ちの生活を送った。1年半の間、旅の本を読んだり、予防接種に通ったりと世界一周の準備を続けてきた。ただ私たちの場合、世界一周から帰ってからではなく、旅行に出る前に結婚をしたのだが... ちなみに私の「イノシシ・レース」はしばしお休み。今は小さい目をできるだけ大きく見開いて、いろんな物をゆっくり見て回るつもり。で、また帰ったら高〜く、高〜く、どこまでも続くハードル目指してがんばるぞ! |
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