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旅の日記

8.インド  〜合言葉は「ビーファーム」〜 

 


 僕はこの旅に出る前、一番行きたい国は?っと聞かれたらそれは断然インドだった。 具体的にアレが見たい、これをしたい、という事はなかったのだが、以前読んだ本に「インドはいろんな意味でスゴイ所。人生観が変わるほどの強い衝撃を受ける。」などと書いてあったものだから、好奇心旺盛な僕はインドとは一体どんな国なんだろう?と興味を持つようになっていた。 世界一周に出てからもインドへ行った事があるというバックパカーに出会うたびに「インドってどんな所?」っと聞いてみるのだが、みんな口を揃えて「インドですか・・・あれ・・・ヤバイですよ。 自分の目で見て来てください。」と言うばかり。 一体どんな国なんだ? インド!?
 情報を集めようと思いインドの中古ガイドブックを購入したら大事な所ばかり数十ページが抜けていた。 ガイドブックですらまともじゃないなんて・・・恐ろしい。 しかもその内容ときたら必要以上に脅しがかっている。 やれ騙された〜それ騙された〜っと、「私はこうして騙された!」というネタばかり。これじゃ〜怖くてインドに行けねぇ〜!っと思ってしまうくらい。 「私はこうして騙された!!」ネタだけで本が一冊できるんじゃーないだろうか。 
 実際、インドでひどい目に会っている人は結構いて、僕が実際に出会った日本人バックパッカーの中には無理やりツアーを組まされて大金を払わされたと言う人や、早朝駅に向かって歩いている時に強盗に襲われてケガをしたという人も居た。 確かに恐ろしい所でもあるのだ。 
 とにかくインドを前にして必要以上にナーバスになっていた僕らだったが、チベット〜ネパールの移動で一緒だったフィオナの言葉を思い出した。 「インドでは絶対に人の甘い言葉にのらないことよ。 何を言われても絶対に考えを変えてはダメ。 ビーファームよ。」
 なんせ強引に騙そうとする輩はあり得ない様なウソをつく。 予約を入れている宿に向かおうと思って、リクシャのおっちゃんに行き先を言うと「ああ、その宿はガンジス川に流されて今はもうないからオレがイイ宿に連れてってやる」などと、ほとんどギャグのようなウソを真顔でいうのだから油断ならない。 全てを100%信用しないと旅の醍醐味でもある人との出会いを失ってしまうが、言葉巧みに騙そうとする人達を簡単に信用してしまうと痛い目に会うのは自分自身なのだ。  「ビーファーム」これは僕らにとって、インドでの合言葉になった。 

【寿夫 筆】





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